「長い間使っていない口座がありますよ」という銀行からのハガキ。
そこには「お手続きは不要」「来店は不要」と親切そうな言葉が並んでいます。
しかし、窓口へ向かうと、ハガキには一言も書かれていなかった「未利用口座管理手数料」という壁が立ちはだかりました。
「残高が少なければ自動解約します」銀行の窓口で受け取った文書には、はっきりとそう書かれていました。
しかし窓口では「解約するなら印鑑を持ってきてください」とハガキとも規約とも異なる「謎の門前払い」
放っておけば勝手に解約する口座を、本人が目の前で「解約してください」と言っているのに拒絶される。今回は、京都銀行の窓口で体験した、あまりに非合理で「お役所仕事」的な実態をレポートします。
届いたのは「お取引口座ご確認のお願い」という丁寧なハガキだった
「お取引口座ご確認のお願い」という丁寧なタイトル。
「特段のお手続きをいただく必要はございません」と断言し、「ご来店は不要です」との記載。
でも通帳もキャッシュカードも手元にあるので、解約してあげた方がこんなハガキを出す手間も省けるだろうと思って平日の営業時間内に記載の支店の窓口に向かいましたがこれが失敗でした。
窓口で突きつけられた「後出しジャンケン」の口座管理手数料
窓口で渡されたのはハガキとは全く別物の文書でした。
そこには「未利用口座管理手数料について」という冷徹な説明が。
「2年以上取引がない口座には年間1,320円の手数料を課す」「残高不足なら自動解約する」という、ハガキの親切なトーンとは真逆の内容です。
ハガキで「来店不要」と言っておきながら、いざ行ってみれば「手数料を払わなければ取引できない」と言い出す……。これはまさに「案内の不一致」以外の何物でもありません。
その紙をよく読むと、さらなる矛盾が発覚します。
「2021年3月1日以降に新規開設された普通預金口座」が対象
私の口座は2009年に開設したものです。規約を文字通り読めば、そもそも手数料の対象外であるはず。
にもかかわらず、窓口で「手数料を払わなければならない」と説明される理不尽。銀行側のミスなのか、あるいは古い口座も強引に対象に含めようとしているのか。文書の内容と窓口の対応が矛盾しており、利用者は何を信じればいいのか分かりません。
矛盾:自動解約はできるのに、窓口では解約できない
窓口で渡された文書には、「お客様の口座残高が、未利用口座管理手数料(1,320円)未満の場合は、…同口座を解約させていただきます」とあります。
私の口座残高は338円。10年前から利用していない口座でその頃から同様の残高だったので、文書に記載の通りの運用だとすれば、既に銀行が自動で解約してくれていたはずです。
しかし窓口で「記載の通り解約してください」と伝えると、返ってきたのは「印鑑がないのでお手続きできません」という斜め上の回答でした。
- 放置した場合
銀行は私のハンコなしに、勝手に口座を解約する。 - 窓口へ行った場合
本人が目の前にいて、通帳もカードも提示しているのに、ハンコがなければ解約を受け付けない。
「放っておけば勝手に解約するけど、今ここではやらせない」という謎の理屈。利用者の利便性よりも、銀行側の古いルールが優先されている証拠ではないでしょうか。
最大の矛盾:ハガキにはひきつづき口座を利用できると書いてある
振り返って、案内ハガキには「引き続き口座をご利用いただけます」と明記してあります。
しかし窓口で渡された文書には「お客様の口座残高が、未利用口座管理手数料(1,320円)未満の場合は、…同口座を解約させていただきます」とあります。
どっちやねん
文書には「2021年3月1日以降に新規開設された普通預金口座」が対象と書いてあるので、2009年に口座開設した私にこの文書を渡したことがそもそも間違いで、ハガキに記載の通り口座は利用できるのでしょう。
昭和の遺物「印鑑」に縛られる銀行の現在地
私たちは受験戦争を勝ち抜き、合理性を重んじてきた世代です。デジタルトランスフォーメーション(DX)が叫ばれる2026年において、本人確認が済んでいるにもかかわらず、これほど少額の口座解約に「印鑑」を求める硬直した姿勢には、呆れを通り越して悲しさすら覚えます。
結局、私は「使わない口座を放置したまま維持する」という、最も無駄な選択肢を選ばざるを得ませんでした。ハンコを持って再度窓口に行って管理手数料を払って解約なんてするわけありません。ちょっとした親切心で良かれと思って窓口に行ったことは完全に仇となりました。







